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免疫細胞療法

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1.がん免疫細胞療法とは

外科療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤)は、がんの三大療法といわれています。医学の研究開発により三大療法も大きく進歩していますが、治療そのものや副作用に苦痛を伴うことは少なくありません。そこで、今、注目を集めているのが『がん免疫細胞療法』です。

私たちの体の中では、常にがん細胞が発生していると考えられています。しかし、がん細胞を攻撃する免疫細胞も存在しているため、すぐには、がんにはなりません。様々な理由でがん細胞と免疫細胞のバランスが崩れ、がん細胞の増殖が上回った時にがんという病気になります。

そこで、免疫細胞を人工的に増加し、その働きを強化することでがん細胞を抑え込もうというのが、『がん免疫細胞療法』です。具体的には、患者さんご自身の血液から免疫細胞を取り出し、数を大量に増やしたり、攻撃する働きを強化して体に戻します。つまり、「自分で治ろうとする力」を活用するという方法です。

患者さんご自身の細胞を用いるため、副作用はほとんどありません。まれに発熱やアレルギー症状がみられる程度で、生活の質(Quality of Life :QOL)を維持しながら受けることができます。

2.がん免疫細胞療法の種類

当センターで、行っているがん免疫細胞療法は、大きく分けて2種類あります。『活性化自己リンパ球療法』と、『樹状細胞ワクチン療法』です。患者さんのがんの性質、状態、さらには、現在受けている治療の状況や経過などを見極め、最適ながん免疫細胞療法を選択していきます。本療法は、一人ひとりの患者さんの状態に合わせて効果的な方法を選択していく、個別化医療(オーダーメード医療)といえます。

【活性化自己リンパ球療法】

がん細胞を攻撃する免疫細胞の中心となるのは、白血球のなかのT細胞と呼ばれるリンパ球です。このT細胞を、一旦、体の外に取り出して、数を増やし、攻撃力を強めて再び体に戻します。活性化自己リンパ球療法には、『アルファ・ベータT細胞療法』と『ガンマ・デルタT細胞療法』の2種類あります。

【樹状細胞ワクチン療法】

樹状細胞は白血球の一種で、免疫細胞の司令塔として、T細胞にがん細胞の目印を伝えます。樹状細胞からがん細胞の目印を伝えられたT細胞は、その目印を持ったがん細胞を攻撃するようになります。この樹状細胞を体の外に取り出し、人工的にがん細胞の目印を取り込ませて、再び体に戻すのが樹状細胞ワクチン療法です。

樹状細胞にがん細胞の特徴を取り込ませるためには、患者さん自身のがん組織(凍結保存したもの)、あるいは、人工的に作製したがん抗原ペプチドを使用します。また、がんの目印を効果的に樹状細胞に取り込ませる方法として、エレクトロポレーション法があります。従来の方法に比べて、がん細胞を攻撃する細胞が数倍から数十倍多くなることが確認されています。

3.細胞調製センターと研究施設について

当センター4階には、細胞調製センターと研究施設を併設しています。細胞調製センター(Cell Processing Center :CPC)では、患者さんから採取した血液から免疫細胞を抽出して、2週間かけて増殖・活性化させます。研究施設では、最新鋭の機器を用いて、免疫細胞の解析を行い、その品質を確認しています。患者さんから採取した免疫細胞が安全で信頼性の高い免疫細胞として用いられるよう、また、患者さんに安心してがん免疫細胞療法を受けていただけるよう努めています。

免疫細胞療法のご案内パンフレット

患者さんへ がん免疫細胞療法のご案内 (2015年1月更新)

主治医の先生へ がん免疫細胞療法のご案内(2015年1月更新)

医師紹介

 

飯野 忠史 Tadafumi Iino

九州大学先端医療イノベーションセンター

診療所管理者 外来医長

プロジェクト部門 特任助教

外来

初診日(初診相談日) 月曜日,木曜日午前中
再来日 火曜日、木曜日、金曜日
休診日 月曜日午後、水曜日

資格

内科認定医、日本血液学会認定血液専門医

所属学会

日本内科学会、日本血液学会、日本癌免疫学会、日本免疫治療学研究会所属

略歴

1995年 九州大学医学部卒業
1995年 九州大学第一内科入局、九州大学病院などにて研修
1997年 原三信病院 血液内科
1998年 九州大学病院(腫瘍センター、輸血部、第一内科、遺伝子細胞療法部)
2006年 米国 ハーバード大学 ダナファーバー癌研究所・研究員
2010年 九州大学病院 遺伝子細胞療法部
2013年 現職