センターについて

ご挨拶

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センター長挨拶

センター長
センター長
江藤 正俊

九州大学先端医療イノベーションセンターは、我が国における新医薬品・新医療機器の開発に関し、新たな取り組みが必要であると模索する中から生まれました。これまで先端医療開発は、大学や企業等の研究機関が研究を行い、病院等の診療機関が臨床試験を担当するというように、場所を区分して行われてきました。しかし、臨床の現場で新たなニーズや技術改良のアイディアが生まれたり、研究の現場で生まれた新しいアイディアについて医師の意見がほしいといった状況も多くあり、両者間の交流が求められてきました。

大学病院には両者を一体化した性格がありますが、一方で、地域の特定機能病院として患者の治療を第一義とする大きな役割があります。私たちは、「先端医療の実用化という新しい目標に特化した施設はできないか。」、また「研究施設と臨床施設の一体型施設は医療分野における民間企業と大学との共同研究において極めて重要であり、そのような施設を作れないか。」と考え、この希望に経済産業省の平成21年度イノベーション施設整備補助金が組み合わさり、関係の皆様の多大なご支援とご協力もあって、本センターは平成23年7月27日に橋爪誠前センター長の下、開所を迎えました。建物延面積5,411㎡の施設に、各種研究用機材を装備した研究室、実験室と、診療施設としての診察室、病室、手術室など双方の施設を備えます。このような施設は他にはほとんど存在せず、国立大学に限れば初めてのものであり、医療供給方法の改革に向けた多様な取り組みを行って参りました。

これまで非アルコール性脂肪肝炎の早期精密画像診断システムの開発、直径 1mm の血管吻合を容易にする顕微鏡下手術支援ロボットシステムの研究開発等のAMED プロジェクト、創薬基盤推進研究事業「次世代インテリジェント型ナノカプセルによる診断・治療システム」、新学術領域:「多元計算解剖学」等の様々な医工連携プロジェクトを進めて参りました。また腹腔鏡や手術支援ロボットdaVinciを用いた手術を安全に進めるための手術ナビゲーションシステムの開発も行い、安全な手術の普及に貢献して参りました。さらに歯科インプラント手術についてナビゲーションシステムの製品化を目指し平成29年3月に九大発ベンチャー企業を立上げ上市に向け鋭意取り組んでいます。がん免疫療法は、がんに対する化学療法、手術、放射線療法に次ぐ第4の治療として近年大いに注目されておりますが、当センターではαβT細胞療法、樹状細胞ワクチン療法を臨床研究として施行しております。昨今はAIが医療の現場にも導入されつつあり、医療の質の向上や低侵襲治療適応の拡大に向けた様々の取り組みに対してAIをいかに導入していくかについての研究も進めております。本センターでは、民間企業と一緒になって、先端医療分野における研究の成果を1日も早く医療の現場に届けるという試みも積極的に行っております。関係の皆様におかれましては、本センターのユニークな取り組みにご理解を賜り、本センターの事業への参加をご検討いただきますようお願い申し上げます。