スマートDDSグループ長・インキュベーショングループ長 片山 佳樹

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片山 佳樹 Yoshiki Katayama

九州大学大学院工学研究院
応用化学部門
機能組織科学講座 
教授

主な研究テーマ

DDS、遺伝子送達手法の開発、
バイオイメージング法、新規診断法、
創薬支援ツールなどの開発

研究概要

治療、診断、創薬に関する各種ツールの開発を行っている。治療に関しては、病態機能に関わる細胞内シグナル(特にプロテインキナーゼ、プロテアーゼ)に応答して遺伝子を活性化できる新規疾患細胞特異的遺伝子キャリヤーの開発に成功し、従来方に比べ格段に高い特異性で、がんやウイルス疾患に特異的な遺伝子制御に成功している。また、同様の概念を用いてがんの増殖能のイメージングにも成功している。また、診断では、in vivo 病態機能のイメージング、血管内皮障害部位検出用MRI造影剤、金ナノ粒子を用いる簡便迅速なキナーゼアッセイとがん診断への応用、キナーゼ活性の網羅的プロファイリングにより薬物スクリーニング、細胞機能詳細評価等を可能にするペプチドアレイの開発などを行っている。これらの手法は、いずれも従来法では解決できない問題にアプローチできる新規概念である。例えば、従来のDDSは標的部位への蓄積のみに主眼がおかれていたため、正常臓器での副作用は本質的に回避できなかったが、シグナル応答型遺伝子制御送達は、標的細胞以外で遺伝子の活性を抑えることができる初めての送達概念であり、この問題を本質的に回避できると期待できる。また、ペプチドアレイなどの診断法は、これまで困難であった、がんの化学療法に対する感受性評価に適用でき、将来的に投薬前診断、投与後の予後判定、制がん剤の耐性評価などにも有効であると期待している。

業績

特許

Rhoキナーゼの新規基質ペプチド・PCT/JP2010/065733、プロテインキナーゼの検出及び活性測定法・PCT/2010/065721、アドレッサブルポジショナルスキャニング法によるペプチド基質スクリーニング方法・特願2010-192497、ポリマー核酸融合体、並びにこれを用いた腫瘍細胞などのイメージング方法及び癌の治療用医薬組成物・PCT/JP2009/068155等多数。

論文

150報(J. Control. Release、Proteomics、Anal. Sci.、Comb. Chem. Hightroughput. Screen.などでカバーページに紹介)

社会活動

日本分析化学会(H21-22理事、H23支部長)、日本DDS学会評議員、日本化学会生体関連部会幹事、日本ケミカルバイオロジー学会世話人、高分子学会編集委員、福岡県工業技術センター評価委員、NEDO専門委員、九州先端科学技術研究所主任研究員、福岡県バイオ産業拠点推進会議委員など
研究:H10-14・JSTさきがけ研究、H15-19・JST・CREST研究代表、H14-19・NEDO基盤研究促進事業リーダーなど

ひとこと

基礎研究を臨床技術に仕立て上げるためには、単純に異分野が連携するだけでは困難で、そこには全く新しい研究分野が必要です。本センターを通して、そのような分野を創製することができればと考えています。